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【イチから学ぶ】電気料金のしくみ

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毎月の電気料金非常に気になりますよね。「電気代!節約しなきゃ!」と思いつつも毎月の電気代を見て「がっくり・・・」されている方もいるかと思います。「節約」と一口に言っても具体的にどうしたらいいかは、なかなか難しいものです。

以前ブログで光熱費の節約についてまとめました。

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今回は「電気料金の仕組み」についてまとめてみました。そもそも電気代がどのような仕組みで計算されているか知ることで電気代を安くする方法の参考になればと思います。

 

  

料金の仕組み

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毎月送られてくる料金明細書を見ると、料金の内訳は3つに分かれていることがわかります。

1、基本料金

2、電力量料金

3、再エネ発電賦課金

どの電力会社の契約プランでも基本的な計算は「基本料金」+「電力量料金」+「再エネ発電賦課金」の3種類で概ね決まってきます。

基本料金

電気料金には、オール電化住宅向け、時間帯別、高圧業務など多くのプランがありますが、一般家庭向けに提供されている最も基本的な電気料金プランは「従量電灯」です。毎月送られてくる料金明細書からご自身の契約プランの確認を行うことができます。「従量電灯」とは、簡単に言えば使用量に伴って料金が課せられる電気料金プランです。従量電灯には関西電力の「従量電灯A」と東京電力の「従量電灯B」があります。

 

東京電力「従量電灯B」の場合

契約アンペア 基本料金(税込)
10A 286.00円
15A 429.00円
20A 572.00円
30A 858.00円
40A 1144.00円
50A 1430.00円
60A 1716.00円

上記のように契約アンペア数によって基本料金が区分けされています。この基本料金は使った電気の使用量に関わらず毎月必ず請求される料金です。

 

電力量料金 

電力量料金は各家庭の電気の使用量(kWh)に応じて課金される料金です。

  

東京電力「従量電灯B」

電力使用量 1kWhあたりの値段
0 - 120kWh 19.88円
120 - 300kWh 26.48円
300kWh以上 30.57円

電力量料金の1kWhあたりの値段は使用量によって3段階に分けられていて、電力使用量が多くなるほど高くなる仕組みになっています。

 

例えば1ヶ月の電力使用量が350kWhの場合

電力使用量 電力使用量 1kWhあたり
120kWh 0 - 120kWh 19.88円
180kWh 120 - 300kWh 26.48円
50kWh 300kWh以上 30.57円
計 350kWh - -

使用量が300kWhを超えてしまった50kWhについては高い30.57円単価で計算されます。これが「従量電灯B」なのです。他の電力会社によっては一律料金のプランを提供する事業者もあります。基本料金無料をかかげているプランもあるので気になる方はチェックして見ても良いでしょう。 

燃料費調整額について

料金明細書の電力量料金の項目内に「燃料費調整額」というものがあります。これは電力会社が発電に使用する燃料の変動を電気料金に反映させるための調整額です。発電に使用する燃料とは天然ガスや石油が主なもので、燃料費が頻繁に変動する為、変動に併せて月単位で調整しています。自動的に調整される金額になります。 

再エネ発電賦課金

再エネ発電賦課金(再生可能エネルギー発電促進賦課金)は、「再生可能エネルギーの固定価格買取制度」 により電力事業者が電力買い取りに当てた費用を、電気を使用する利用者に、電気の使用量に応じて負担させるものです。

「1ヶ月の電気使用量 × 単価」で決められます。ちなみに、再エネ発電賦課金は年々上昇を続けていて、2012年は年間賦課金は700円だったものが、2019年には約1万円にも達しています。

 

一般家庭の電気代平均は?

20200218165506「我が家の電気代は高いのか?安いのか?」ここは皆さん気になるポイントかと思います。一体平均値はどれくらいなのでしょうか。2018年度の総務省統計局の家計調査によると電気代の平均額は以下のようになっています。

  

  1ヶ月の平均電気代 1年間の平均電気代
単身世帯 5,852円 70,224円
2人家族 9,559円 114,708円
3人家族 11,024円 132,288円
4人家族 11,719円 140,628円
5人家族 12,846円 154,152円

家族の人数によって料金の増減があります。ただし、家族の人数が増えた分がそのまま比例して増えるとは言い切れません。冷蔵庫や洗濯機など電化製品の大部分は共有して使用する為、人数の増加がそのまま電気代に反映されるわけではないのです。

むしろ注目すべきは「生活スタイル」にあると考えられます。例えば、日中家にいる時間が長いかどうか。在宅時間が長いほど電気使用量は上がるため、共働きの夫婦2人家族と両親含め2世帯5人家族とでは電気料金に大きな差が出ます。

また、新たに家族が増え、マンションから部屋数が多く占有面積の広い戸建住宅に引越しする方も多いかと思います。部屋数が多い分、戸建住宅の方が使用電力量が増加する傾向がありますし、契約アンペア数も高くなります。

電気料金を安くするには?

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電力使用量を減らす

この点は説明不要かと思います。基本的には電力量料金は使うほど高くなりますので、無駄な電力を消費しないことが大切です。

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契約アンペア数を下げる

電気料金を安く抑えるためには、契約アンペア数を下げることが有効です。各家電の使用アンペア数の目安は以下の通りです。

 

使用時間が長いもの

家電 使用アンペア
電気ヒーター 10A
エアコン 7.5A
電気カーペット 8A
こたつ 5A
冷蔵庫(400L) 2.5A

 

使用時間が短い家電 

家電 使用アンペア
電子レンジ 15A
オーブン 14A
食器洗い乾燥機 13A
炊飯器 13A
ドラム式洗濯乾燥機 13A
ドライヤー 12A
掃除機 10A
洗濯機 3A
テレビ(32型) 1.2A

 

例)契約アンペア数が40Aの場合

家電 使用アンペア
エアコン 7.5A
こたつ 5A
冷蔵庫(400L) 2.5A
食器洗い乾燥機 13A
洗濯機 3A
テレビ(32型) 1.2A
合計 32.2A

上記は32.2Aなので契約電力40Aの範囲内となっています。ここで仮に電子レンジ(15A)を使用すると40Aの範囲を超える可能性があり、超えた場合にはブレーカーが落ちることになります。

契約アンペア数を下げるために大切なのは「一斉に大きな電力を使わない」ことです。各家電製品の使用アンペアの目安をきちんと把握し、同時に大きな電力を使わないよう時間差にするなどの工夫をすることができれば、今の契約アンペア数よりも低く抑えることも可能になるかもしれません。

正確なアンペア数を知りたい場合には、使用する家電製品の「消費電力」と「電圧」(コンセントの形状確認)を確認し双方を除すことで計算することができます。

東京電力「従量電灯B」

契約アンペア 基本料金(税込)
10A 286.00円
15A 429.00円
20A 572.00円
30A 858.00円
40A 1144.00円
50A 1430.00円
60A 1716.00円

契約プランを変更する

自分たちの生活スタイルにあったプランを選択することが重要です。例えば自分たちの生活スタイルで決まった時間帯や曜日に集中して電気の使用があれば、その時間帯にあったプランに変更することで電気代が安くなる可能性があります。

新婚夫婦にお子さんが誕生し奥さんが専業主婦になる場合や、年老いた親と二世帯で暮らすようになる場合、1人息子が独立して夫婦2人世帯になる場合など「生活スタイルの変化」が起こった際は契約プランの見直しを検討すべきでしょう。今契約している電力事業者のプランを再度確認してみましょう。 

電力事業者を変更する 

電力自由化」という言葉はすっかり聞き慣れたものとなりました。これは旧電力事業者によって独占されていた電力小売が全面自由化され、様々な企業が販売可能になったことをいいます。

これまで独占的に行ってきた市場が開かれることで電力事業者間の競争を促し電気料金の抑制効果が目的です。電気とガスのセット割、電気と携帯電話のセット割など、様々な特典やサービスが受けられるようになり、各生活スタイルにあった料金プランも次々と登場するに至りました。

 

メリットが多いようにも思える「電力自由化」ですが、やはりデメリットもあります。 

電力会社やプランが多すぎる

非常に多くの選択肢があるため、自分たちの生活にあった電力会社・プランを探すのが大変です。電力会社比較サイトも利用して現電力サービスと他社サービスを比較しながら地道に探すことが必要となります。

料金が高くなる場合がある

一概に料金が下がるわけではありません。例えば、契約アンペアの基本料が0円で電力使用料金が一定の新電力プランに乗り換えた場合です。

東京電力「従量電灯B」

電力使用量 1kWhあたりの値段
0 - 120kWh 19.88円
120 - 300kWh 26.48円
300kWh以上 30.57円

先程も説明した通り、電力量料金の1kWhあたりの値段は使用量によって3段階に分けられていて、電力使用量が多くなるほど高くなる仕組みになっています。電力使用量が非常に多いご家庭の場合、新電力プランに乗り換えた方が断然お得な料金体系になりますが、電力使用量が120kWh未満の単身世帯の場合には、むしろ1kWhあたりの料金は高くなることになります。ご家庭の電力消費量などを踏まえて慎重に選ぶ必要があります。

 

まとめ

今回は「電気料金の仕組み」についてまとめました。基本的に「従量電灯」プランは電気を使えば使うほど割高になります。節約意識を高めて電力使用量を抑えることがもちろん必要ですが、ご自身の生活スタイルも再度点検してみて、契約アンペア数が適切かどうか、新電力導入が可能かどうかなども検討してみてはいかがでしょうか。