ストレスが溜まってもう嫌だ!今日からできるオススメのストレス解消法10選
チューリッヒ生命の「2019年ビジネスパーソンが抱えるストレスに関する調査」によると、働く人の8割近くが仕事上のストレスを感じていると回答している。
朝の通勤ラッシュで早くもクタクタになりながら、会社では上司と部下の間で葛藤し、クライアントとは良好な関係を必死で模索する。
仕事でのストレスが増える一方でプライベートでのストレスは減っている?とは言い難い。
家計に関する不安、家事・育児、健康問題など、プライベートでも私たちはストレスフルな生活を過ごしている。
「なぜストレスは溜まるのか?」
それは今回のテーマからは外し、「いかにストレスを発散するか」という発散方法に焦点を絞って紹介していきたい。
ただし、過剰な飲酒や好きなものをひたすら食べる等の、健康に害を及ぼすようなものは省いて、私の主観でこれは良さそうだ、と思ったものを紹介させていただく。
ストレスが溜まってもう嫌!って時は、どれか一つでも試してみて!
1.とにかく眠る
脳の疲れをとる
体の疲れはある程度の時間横になれば解消されるが、脳の疲れをとる為には一定程度の睡眠時間が必要だ。
「ストレス解消には眠ることだ」と言われると、何と無く良さそうな気はするが、なぜ効果的なのだろうか。
自律神経を休ませる
人間は日中活動している際、絶えず緊張状態と隣り合わせに過ごしており、自律神経はバランサーとしての役割を絶え間なくこなしている。
睡眠中はそういった緊張から解放され、自律神経の休息も取れるのだ。
2.仮眠をとる
「パワーナップ」という言葉
「パワーナップ」という言葉をご存知だろうか。社会心理学者ジェームズ・マース氏が提唱した短時間仮眠のことである。
仕事のパフォーマンス向上につながるとして世界有数の企業たちが、オフィスに仮眠スペースを置いたり、仮眠制度を設けるなど積極的に推奨している。
仮眠の効果
昼間の仮眠は、なんと夜の睡眠の3倍もの効果があると言われている。なぜそこまで大きな効果が得られるのか。睡眠のメカニズムを知る必要がある。
なぜ仮眠が良いか
カリフォルニア大学の神経科学者マシュー・ウォーカー氏の研究では、眠りについてから20分前後で訪れる睡眠レベルでは、情報を整理・記憶したり、優先順位を整理する働きがあることが明らかになっている。
入眠30分を超えると睡眠レベルは更に進んでしまい、かえって寝覚めが悪くなってしまう。
仮眠のコツ
コツは熟睡しないこと。椅子に座るなどの姿勢を保ち、仮眠直前にはコーヒーなど適量摂っておくと、仮眠後すっきりと目覚められる。
仮眠のBGM
こちらは、ちょうど30分で終わる仮眠ピアノ曲である。心地よい眠りを誘い、かつ30分後のアラーム音までついており、非常に便利なのでぜひ活用していただきたい。
3.深呼吸
深呼吸の効果
心身のバランスのとれた状態とは、自律神経が交感神経と副交感神経それぞれのバランスをちょうどシーソーのように保っている状態である。
ストレスが過多になり交感神経が過剰になった際、それを副交感神経の方に傾ける方法の一つが「深呼吸」である。
胸式呼吸は交感神経を刺激
「呼吸」を大別すると「胸式呼吸」と「腹式呼吸」に分けられることはよく知られている。
私たちが普段行なっている「胸式呼吸」は、実は交感神経を刺激する呼吸法である。副交感神経を刺激する為に「腹式呼吸」に切り替えればよい。
心を鎮める為に呼吸を深くすることで自律神経のバランスを調整する。
深呼吸のやり方
背筋を伸ばし、鼻からゆっくりと大きく、息を吸い込む。
この時、おへその下辺りが膨らんでいれば良い。
息を吐くときは、吸いこんだ分を吐き切るイメージで時間をかけて行うこと。
4.白紙に気持ちをつづる
とにかくありのまま
ストレスを感じているありのままの気持ちを紙に書き出す。
書き出すことでやや距離を置いた客観的な視点に立つことができ、落ち着いて物事を考えるきっかけになる。
ゆったり眺める
それまで思いつかなかった選択肢に、自分で気づくこともある。
ひとしきり箇条書きで書いて、気持ちが出し切れた後は、それをゆったりと眺める。
眺めていて気になってきたポイントは深掘りしてみても良いだろう。
5.文字をひたすら書く
近年話題の写経について
近年女性を中心に「写経」が見直されている。写経とは、仏教の経典を書き写すことだ。
その目的は、元々は信仰や祈願、供養のため、あるいは清浄心の修行のために行われてきた。
しかし現代において、「心の安定」を目的として写経に取り組む人が増えているという。
ベータエンドルフィンの効果
一文字一文字心を空っぽにして文字だけに集中することで「ベータエンドルフィン」という脳内物質が分泌されるようになる。
この物質が放出されると、いわゆる「ランナーズ・ハイ」に見られる一種の「高揚感」「満足感」が高まることが明らかになっている。
これが写経によるストレス解消のメカニズムである。
6.ガムを噛む
ヒトにとって「噛む」とは
人間が何かを「噛む」ことの重要性は脳科学でも証明されている。
チューインガムを使った実験では、運動野や感覚野を始め、脳の様々な部分が活性化することがわかっている。
慢性ストレスは脳に悪影響
長引くストレスは、心身の不調はもちろん、脳の海馬の神経細胞の死亡が加速したり、神経細胞の伝達に障害が生じて記憶力の低下を招くことにつながる。
ストレスを増強させるかどうか鍵を握っているのは、脳の「扁桃体」である。
扁桃体の働き
人間はストレスになる出来事に直面すると、扁桃体が活性化する。
すると、「不安や恐怖に対処せよ」というシグナルが「視床下部」へと伝達され、視床下部はストレスホルモンである「ノルアドレナリン」の分泌指示を下す。
※視床下部のリンクはこちら
ガムを噛むことの効果
ある実験で、チューインガムを噛んだ状態で、ストレスを受けたときの扁桃体の働きを調べた結果、扁桃体の活動を抑制させる効果があることが明らかになっている。
嫌なことがあったときは、騙されたと思ってガムを噛んでみることをお勧めする。
7.コーヒーを飲む
コーヒー とα波の関係
コーヒー の香りにはリラックス効果がある。リラックスしたときの脳波であるα波が放出されることが明らかになっている。
焙煎方法によっても異なり、深煎りの方がよりリラックス効果が高いことがわかっている。
コーヒーに含まれるカフェイン
コーヒー に含まれるカフェインにも強いリラックス効果がある。
この効果はある研究データによって裏付けられている。
ラットを拘束した状態でストレスを与え、解放後の放出物質を調べたものだ。
カフェインの効果
解放前に食塩水、コーヒー 、カフェインを投与したマウスの、ストレス低減度合いがどの程度あったか。
食塩水では15%、コーヒー では63%、カフェインでは66%とストレスの減少が見られた。
カフェインの副作用
カフェインは過剰に摂取すると不眠、めまい、興奮状態が続くなどの副作用が現れる。
EUの食品安全期間(EFSA)によると、健康維持する為に望ましいカフェイン摂取量は成人で1日400mg未満、1回200mg未満と提言している。
通常のコーヒーであれば、1日4〜5杯までが適度な量であるといえるだろう。
8.よく笑う
笑いは健康にも良い
「笑う門には福来たる」ということわざがある。これは健康においても同様ようだ。
笑いには免疫システムや自律神経のバランスを整える効果があるといわれている。
爆笑の効果
「笑う」にも様々ある。いわゆる「爆笑」は、大きな声を出すことで腹筋が刺激され、腹式呼吸にもなるため、運動効果もありストレス発散に効果的である。
作り笑いもストレス解消効果
実は「作り笑い」にもストレス解消効果があるそうだ。
ある実験で作り笑いをする前とした後で、ストレスホルモンである「コルチゾール」の
唾液中の量を測定した。
結果、作り笑い後、コルチゾールの量は減少することがわかった。
ストレス発散のため、騙されたと思って、その場で1分間「作り笑い」を浮かべてみることをお勧めする。
笑みに隠れた力
ロン・ガットマンの「笑みに隠れた力」は、笑いがもたらす多くの影響について明快に説明してくれている。
イギリスの研究者によれば、1回の笑顔による脳への刺激は「現金1万6千ポンド」(225万円)を受け取る際の刺激に相当するという。
興味が湧いた方は是非見て欲しい。大変為になる動画だと感じた。
スーパーパワーの力を借りて、長生きしたり、健康で幸せな人生を送りたい。そのように思うことがあったら、笑顔になりましょう。
ロン・ガットマン
9.自然音を聴く
癒しの音
人が音に「癒し」と感じるとき、「1/fのゆらぎ」と呼ばれる特性が関わっている。
「1/fゆらぎの定義は、パワー(スペクトル密度)が周波数fに反比例するゆらぎのこと。ただしfは0より大きい、有限な範囲をとるものとする」
引用元:1/fゆらぎ – フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
メトロノームの「ゆらぎ」
例えば、メトロノームは、限りなく「ゆらぎ」のないものだ。
規則的に一定のリズムで音を出している。
電車の「ゆらぎ」
例えば電車のリズム。あの「ガタンッゴトンッ」とうリズム。
レールの長さによってあの規則は変わると聞いたことがあるが、速度によってリズムは変わる為、一定のリズムの中に「ゆらぎ」が混在している。
人が最も心地よい「1/fのゆらぎ」効果
そのゆらぎ具合を「f」という周波数の単位で表した際、人間が一番心地よく感じられるのが「1/f」のゆらぎだといわれている。
「1/fのゆらぎ」を聞くと、脳にα波が放出され、リラックス効果が生まれる。
また、生体リズムと共鳴し合うことで自律神経が整えられ、精神の安定にも効果がある。
自然の中の「1/fのゆらぎ」
波の音
寄せては返す波の音に「1/fのゆらぎ」を感じることができる。
波音は、母親の胎内の音によく似ているといわれており、他の自然音以上に「安心感」を抱くことができるとされている。
雨の音
雨の音にも「1/fのゆらぎ」がある。雫が次々に落ちる音が一定のゆらぎとなり、雨音によって「水で洗い流す」イメージが生まれ、気分がリラックスするといわれている。
鳥のさえずり
鳥のさえずりにも「1/fのゆらぎ」特性があ理、心を和ませる効果がある。
鳥の声を聞くと「セロトニン」が分泌され、精神のバランスを調整する効果も期待できる。
10.恋人の匂いを嗅ぐ
「恋人の匂い」実験
このストレス発散方法については、ブリティッシュコロンビア大学の研究が参考になる。
96人の女性を対象に、3つのグループに分かれ実験を行なった。
・自分の恋人の着たTシャツの匂いを嗅いだグループ
・知らない人が着たTシャツの匂いを嗅いだグループ
・誰も着ていない新品のTシャツの匂いを嗅いだグループ
その後、ストレスのかかる状況を設定し、一定のストレス状態にしてから、被験者の血液に含まれるストレスホルモンの測定を行なった。
コルチゾールの減少
その結果、恋人のTシャツの匂いを嗅いだグループは、他のグループに比べ、ストレスホルモンである「コルチゾール」の値が減少することがわかった。
一つの工夫として、あなたの恋人が使う「ハンカチ」や「ハンドタオル」などを少々「間借り」して、何かストレスがあなたを襲ったとき、その匂いを嗅ぐとストレスの解消に効果があるだろう。