気にしたことありますか?野菜の正しい洗い方【基礎知識】
普段私たちが口にしている野菜。それぞれの野菜の「正しい下処理」について考えたことあるだろうか。
洗い方一つとってみても、それぞれの野菜がもつ成分や性質によって、扱い方が異なってくる。
今回は野菜の正しい洗い方について紹介していく。
野菜の洗い方なんてどれも同じじゃないの?
それぞれの野菜で結構違うのよ?知ってて損はないわ。見てみましょう。
残留農薬の取り除き方
コネチカット州農業試験場が行なった実験では、農産物を流水のみ、農産物専用洗剤、食器用洗剤で洗った場合の、それぞれの農薬残留量を調査し、以下の結果が得られたという。
調査結果
・12品目のうち9品目について残留量の減少が見られた
・農産物専用洗剤、食器用洗剤で洗った場合でも、流水のみで洗った場合と比較して結果に差異が見られなかった
結論
農産物は30秒以上流水で洗うこと。専用洗剤などは必要ない。
「農薬やワックス、汚染物質などを98%除去」とうたわれている市販品が数多くあるが、この実験結果によると、そういったものは必要はない、ということになる。
バクテリア除去の方法
流水だけでは十分ではない
細菌に汚染された食品は、流水で洗っただけでは十分ではない。細菌の数は減少するが、バクテリアのもつ菌膜を壊すことはできないのである。
お酢水が最も除去できる
料理雑誌「cook's lllustrated」による実験では、「流水で洗う」「ブラシと水で洗う」「洗剤を溶かした水で洗う」「酢を溶かした水で洗う(酢1:水3)」の4つの方法でバクテリアの除去について比較した。
その結果、「酢を溶かした水で洗う」についてはバクテリアのうち98%が除去できたという。
スプレーボトルで活用
同誌の編集者Jack Bishop氏は、この酢水をスプレーボトルに入れてシンクに常備することを勧めている。
野菜を洗う前に、このスプレーをしてから流水ですすげばほとんどのバクテリアは除去できるそうだ。
バクテリアの除去にはお湯での殺菌も効果的。一度お湯にくぐらせておくのも良いだろう。
きのこは洗わない?!
風味・栄養が損なわれる
きのこに含まれている香味成分や旨味成分は水に溶け出してしまうため、基本的に洗わなくて良いだろう。
また、きのこ類に多く含まれるビタミンB群やカリウムなどの栄養素についても水溶性であり、水で洗ってしまうとその成分を失うことになる。
汚れがあり取り除きたい場合には、キッチンペーパや布巾で拭き取ると良いだろう。
なめこの取り扱いは例外
ただし、「なめこ」は例外だ。パッケージにも「さっと水洗いしてください」と記載されていることもある。菌床栽培の製造過程でオガ粉がついていたり、汚れがついていることがあるだ。ただし、ねばりの中に旨味成分も含まれているため、洗い過ぎないよう注意すること。
野菜ごとの正しい洗い方
水洗いによってビタミンB群、ビタミンCなどの水溶性栄養素は水に溶け出してしまうが、残留農薬の不安があるため、それぞれの野菜の留意点を抑えながら洗うのが良い。
キャベツ
結球という性質
害虫がつきやすく無農薬での栽培が難しい野菜の一つ。
キャベツの特徴として、本葉が10枚程度生えてきた時点で「結球」といって、丸まってくる性質があり、葉は外側であるほど古いということになる。
外葉は取り除いた方が良い
当然、外側の葉ほど農薬にさらされている期間が長いということになる。食べる際、外側の葉は取り除くことをおすすめする。
洗う際は、カットする前段階で水洗いすること。切ってから洗ってしまうと、切り口から栄養素が多量に流れ出てしまう。
レタス・白菜
キャベツ同様に無農薬栽培が難しい野菜。性質もキャベツ同様。
サニーレタス
レタスとは違い、農薬をあまり使用せず育てられる野菜である。
流水を流しながら数分間「つけおき洗い」するのが良い。
ザルとボウルを使うと効率的である。水を流し続けることで溶け出した農薬の再付着も防ぐことができる。
サニーレタスを洗った際に泡立つことがあるが、これは「ラクチュコピクリン」という成分によるもの。
この成分はポリフェノールの一種で鎮静効果があり不眠改善など期待できる成分だ。
残留洗剤などではない点は留意しておくと良い。
ほうれん草・小松菜
栄養豊富な野菜の代表格だが、農薬が欠かせない野菜で、残留農薬が多い。
サニーレタスと同じく、数分間「つけおき洗い」をしたのち、沸騰したお湯で30秒〜1d分程度茹でるのが良い。
野菜の洗い方、少しはわかった?
それぞれの野菜の特性を知っておかなきゃいけないことがよくわかったよ!
残留農薬はアレルギーの原因にもなると言われているし、基本をしっかり守って安心して調理を心がけてね!